ChatGPTを使えば時短ができるコンテンツの要約。
プロンプトを少し工夫するだけで、ChatGPTの要約が重宝するなら活用しないと損ですよね。この記事ではプロンプト例から改善方法まで、今日からChatGPTで要約機能を活用する方法をご紹介します。
ChatGPTで要約プロンプトを作成する基礎知識
ChatGPTには様々な文書を要約する便利な機能があります。
長文を短くまとめたり、重要なポイントを抜き出したりと、ChatGPTの要約プロンプトを工夫すると多くの場面で活躍します。
要約プロンプトの基本フォーマット
要約プロンプトの基本的な入力フォーマットは、とてもシンプルです。
以下の文章を要約してください。
(ここに校正したい文章)
このように、要約対象の文章をプロンプトに貼り付けるだけで、ChatGPTが自動で要約をしてくれるんです。
文字数を指定すると適切な長さで要約文の作成も可能ですが、文字数指定は守ってくれないことも多いですね。それでも、面倒な要約作業がひと手間で終わるのはとても便利。
さらに便利なのは、単に短く要約するだけでなく、「核心部分のみを要約」など、求める要約の内容をChatGPTへ指示できる点です。 プロンプトにその旨を明記すれば、ニーズにぴったりの要約文が手に入ります。
PDFも要約できる
ChatGPTの要約機能が優秀なのはPDFファイルの内容も要約できること。PDFを丸ごと読み込んで要約してくれるため、長文の資料の要点をすばやくつかめますよ。
PDFファイルを読み込ませたり、上手くいかない時はPDFの文字をコピーし、プロンプトの中に貼り付けるだけで大丈夫。ChatGPTがPDFのコンテンツを解析して要約してくれるので、ユーザーは手間をかけずに要約文が完成します。
仕事で大量のPDFを処理する必要がある方にこれは本当に助かる機能でしょう。企業のマニュアルや規約、調査報告書、PDFの形式で提供される資料は数多くあります。ChatGPTなら論文の要約も得意。
こうした重要文書を適切に要約できれば理解が深まり、業務の効率化にもつながりますよね。
Webページも要約できる
ホームページやブログなど、Webページの長文の要約も可能。
ブラウジング機能でWebページを指定するだけです。Webページを上手く読み込めない時は全文をコピーし、それをプロンプトに貼り付けるだけOK。
やり方を工夫するとYouTube動画も要約できる
さらに、動画の書き起こしテキストさえあれば、YouTubeの動画内容も要約できるんです。
動画の書き起こしテキストはChromeアドオンの「Glasp」を使うと、自動で書き起こしテキストが生成されるので、全く手間がかかりません。
ChatGPTプロンプトで要約の精度を高める方法
前述したようにChatGPTの要約機能は非常に便利ですが、その反面、要約精度をコントロールするには少々工夫が必要。
ただ適当にテキストを入力しても、期待通りの要約文が生成されるとは限らないのが現状です。そこで大切になるのが、プロンプトを適切に設計し、ChatGPTに正しく希望条件を伝えること。要約の出来を左右するのはプロンプトの質なのです。
ここでは、ChatGPTの要約精度を高めるためのプロンプト設計の実践的なテクニックをご紹介します。
要望事項を明確化して伝える
まず基本となるのが、要望をはっきりと明確化すること。
「この文章の要点を簡潔にまとめて」といった抽象的な指示だけだと、ChatGPTが適切な要約をするのは難しいでしょう。
代わりに、「議論の肝心な部分のみを3〜4行程度で要約」など、具体的でわかりやすい指示を出しましょう。できるかぎり詳細に求める要約のスタイルを記載すれば、そのとおりの要約が得られる確率が高まります。
要約文の理想的な分量、必須で含めるべきポイント、除外すべき情報など、可能な限り細かく指定することが重要です。
対話を通してプロンプトを改善する
プロンプトを最適化するために有効なのが、ChatGPTとの対話を繰り返すこと。
求める要約からズレがある場合はChatGPTに対してフィードバックを送り返します。そしてChatGPTのプロンプトを修正し、要約のリトライを繰り返すのです。
例えば、最初の要約文で「議論の論理展開がわかりにくい」と感じたら、次のようにChatGPTにフィードバックしてみましょう。
論理展開をより簡潔に要約してください。
各ステップはわかりやすい表現で簡単に説明し、少し短めの文章にまとめてもらえますか?
ChatGPTはその指示通りにプロンプトを改善し、より的確な要約文を生成してくれるはずです。こうして対話を重ねながら、徐々にプロンプトを最適化していくのが一見遠回りのようで近道なのです。
ChatGPTの要約機能の限界と対処法
これまでChatGPTの要約をするプロンプトを解説してきましたが、一方でその機能には限界もあることも確か。要約のプロセスにAIの判断が介在するため、様々な課題が残っています。
AIだけでは解決できず、ユーザーサイドでの工夫が求められる代表的な問題について、見てみましょう。
要約におけるよくある問題
ChatGPTでの要約で生じがちな代表的な問題点は、次の3つにまとめられます。
- 複雑な論理展開がある文章だと、本質を掴みにくい
- 誤って重要な情報を欠落させてしまう
- 抽象的な表現を正しく解釈できない
1.複雑な論理展開がある文章だと、本質を掴みにくい
理論的な文章や複数の論点が絡む議論では、ChatGPTが本当の核心をついた要約をするのが難しくなります。AIには複雑な思考の追跡が容易ではなく、人にとって分かりやすい要約に失敗しがちです。
2.誤って重要な情報を欠落させてしまう
要約では本来不要な部分を削ぎ落とす必要がありますが、時に重要な情報が削り過ぎられてしまうケースがあります。主要な論点や根拠が抜け落ちていては要約として不完全ですよね。
3.抽象的な表現を正しく解釈できない
言葉の解釈には文脈理解力が必要ですが、ChatGPTにはその能力に欠ける面があり、曖昧な表現の意味を間違えやすくなります。表現に紛れ込む含みや伏線を読み取れず、不適切な要約に終わることもあるのです。
ChatGPTでできる要約問題への対処法
では、上記のような課題に対して、ユーザーはどう対処すべきでしょうか。ChatGPTの弱点を補完し、より高度な要約を引き出すための有効な対策をご紹介します。
1.分かりやすい論理の文章を入力する
ChatGPTでは複雑な文章の要約が難しいため、なるべく明快で単純な構造の文章を要約対象にしましょう。論理展開がわかりやすく、論点が1つに集中している文章であれば、本質を掴みやすくなります。
2.重要な単語をプロンプトに事前指定する
文中の重要な単語や概念をプロンプトの中に明示的に指定しておくのも有効です。そうすれば、ChatGPTがその単語の重要度を認識しやすくなり、要約漏れのリスクが下がります。
3.付随的な情報を省いて、メインポイントだけを入力する
本題から外れた情報が含まれていると、ChatGPTが要点を見失いやすくなります。そこで、あらかじめ不要な部分を取り除き、メインのポイントだけを入力するのが賢明です。
4.要約精度が不安ならChatGPTに修正を求める
ChatGPTの要約に納得がいかない時は、躊躇なく修正を求めましょう。先ほど説明したように、対話を重ねてプロンプトを改良することで、より適切な要約が得られる可能性があります。
このように、ChatGPTユーザーは様々な工夫により、要約機能の品質をさらに高められます。ChatGPTに完璧を求めるのではなく、適切な対処をしていくことが重要なのですね。こうした対策を打てば、確実に要約精度は向上します。
要約プロンプトを公開!
ここでChatGPTで使えるテキスト要約プロンプトを公開します。単純な要約指示をするよりも役立つ出力をしてくれるので、ぜひ試しに使ってみてくださいね。
# 役割 あなたは日本語で情報を要約する専門家です。 # 実行ステップ 1.ユーザーから提供されたテキストやURL、アップロードされたファイルの{コンテンツの内容}を読み取り、必要な背景情報と一緒に、理解しやすい日本語の要約を提供します。 概要ではなく、重要な主張が何かを重視して整理し、ユーザーにとって具体的に学びを得られる内容を提供します。 2.出力の最後にはユーザーが読み取るべき(学ぶべき)重要なポイント(具体的な結論)を箇条書きにして提示します。 3.ユーザーが質問する場合があります。この場合、「ユーザーから提供されたテキストやURL、アップロードされたファイルのコンテンツ内容」に限定して回答します。あなた自身の知識から勝手な回答は行ないません。 # 制約事項 ・コンテンツが複数名による情報の場合、誰が発信したのかを明確にします。 ・情報が複雑で多層的な場合、文章要約秘書は必要な背景情報を追加しながら、内容をより理解しやすい日本語で要約します。 ・一言一言に重きを置きつつも、不必要な振り手や言葉を混入させずに、話し言葉のままに応答します。 ・詳細の追加を希望する場合は、その詳細を提供した上でレスポンスを調整します。 ・ユーザーから提供された内容を簡単に要約し、不必要なソースの記述を省略します。 # コンテンツの内容 (ここに要約したいテキストを貼り付ける)
ChatGPTの要約プロンプトまとめ
ChatGPTの要約プロンプトの活用方法や、プロンプトの最適化、さらには要約機能の課題と対策について解説してきました。是非ChatGPTの要約機能を上手く活用してみてくださいね。