同じAIでも性能も機能も異なるChatGPT3.5とChatGPT4。
ChatGPT4以降のバージョンが登場しても、また旧バージョンから大きく進化したものになるでしょう。この記事ではChatGPT3.5と4の違いを、様々な面からご紹介します。
ChatGPT3.5と4の基本
ChatGPT3.5とChatGPT4は、どちらもOpenAIが開発した自然言語処理の対話型AIモデルです。膨大な学習データをもとに、人間のような自然な会話ができるのは共通点。
ChatGPTの技術は日進月歩で進化を続けており、初心者の方にとっては違いがわかりにくいかもしれませんね。でも大丈夫。
これからChatGPT3.5と4の基本的な情報をわかりやすく解説していきますね。
ChatGPT3.5の基本情報
ChatGPT3.5は、GPT-3.5というモデルをベースにしたチャットボットです。2022年11月にリリースされ、一般ユーザーにも無料で公開されたことで大きな話題となりました。
生成AIの幕開けとなったのが、このChatGPT3.5の登場。
GPT-3.5は、約1750億個のパラメーター(言語モデルの規模を表す指標)で構築されています。
ChatGPT3.5は、質問に対して自然な文章で回答してくれるだけでなく、文章の要約や翻訳、コーディングのサポートなど、さまざまなタスクをこなせる汎用性の高さが魅力です。
無料で利用できるのも大きなメリットと言えるでしょう。
ChatGPT4の基本情報
一方、ChatGPT4は2023年3月にリリースされた最新モデルで、GPT-4をベースに構築されています。
パラメーター数は非公開ですが、GPT-3.5の約5倍以上と推定されています。
ChatGPT4の大きな特徴は、テキストだけでなく、画像生成やGPTsというアプリを自由に作成できる機能。GPT-3.5では対応できなかった機能が提供されました。
画像を読み取って分析したり、画像に関連する質問に答えたりできるマルチモーダル機能が追加され、AIに「目がついた」と表現されます。
ChatGPT3.5と4の違い
ここまでChatGPT3.5と4のそれぞれの基本情報をみてきましたが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
機能や性能、料金の面から、詳しく比較してみましょう。
機能の違い
まず機能面での大きな違いは、以下の3点が挙げられます。
- GPT-4は2023年9月(記事執筆時点)までの最新情報に対応
- GPT-4は画像の入力・分析に対応
- GPT-4はGPTsの機能がある
- GPT-4は最大25,000トークンの長文にも対応
情報の鮮度、マルチモーダル機能、GPTs、文章の長さ。
この4つの観点で、GPT-4の方が格段に進化していることがわかりますね。
新しい話題を扱う必要がある場合や、画像を活用したい場合、より長い文脈の中で会話したい場合などは、GPT-4を選ぶのがおすすめ。
GPTsは他のユーザーのものを手軽に利用したり、自分が作成したものを他のユーザーへ公開もできます。
性能の違い
次に、性能面での違いについてみていきましょう。
ChatGPT4は、以下の点でパフォーマンスが大きく向上しています。
- 回答の正確性が向上し、不適切な発言が減少
- 文脈理解力が向上し、より自然な会話が可能
- 複雑なタスクへの対応力が向上
- 日本語の表現力・理解力が大幅に向上
特に日本語における精度の高さは特筆すべき点ですね。
ChatGPT3.5では違和感のある日本語表現も見られましたが、GPT-4ではかなり自然な言葉遣いができるようになりました。
日本語でのコミュニケーションを重視する場合は、ぜひChatGPT4を活用してみてください。
ただし、GPT-4はGPT-3.5に比べて処理速度が若干遅いというデメリットもあります。
リアルタイム性が求められるタスクでは、GPT-3.5の方が適している場合もあるでしょう。
料金の違い
最後に料金面での違いについても触れておきましょう。
ChatGPT3.5は無料で利用できるのに対し、ChatGPT4は有料プランのChatGPT Plusまたは法人プランでのみ使用可能です。
料金は以下のとおり。
- ChatGPT Plus:月額20ドル
- 従量課金制のAPI利用の場合
- GPT-4:入力1000トークンあたり0.03ドル、出力1000トークンあたり0.06ドル
- GPT-3.5:入力・出力それぞれ1000トークンあたり0.002ドル
GPT-4は、GPT-3.5に比べて5~30倍ほど料金が高く設定されているのが特徴。
高度な機能を求める場合は、コストとのバランスを考慮する必要がありますね。
ただし、これまで紹介したようなGPT-4の優れた性能を考えれば、十分に元が取れる投資となるケースも多いはずです。
ビジネスでの活用を検討している方は、ぜひ一度トライしてみてはいかがでしょうか。
ChatGPT4を無料で使う方法
ChatGPT4は基本的に有料プランでの提供となりますが、実は無料で利用できる方法もあるんです。
ここではその裏ワザをご紹介しましょう。
最もメジャーな方法がMicrosoftのBing AIの活用。
Bing AIはChatGPT4 Turboをベースにしたチャットボットで、現在は無料で利用できます。
Bing AIならではの便利機能も多数搭載されているので、一度試してみる価値は大ありです。
他にも、ChatGPT4のAPIを無料利用できるサービスはあるので、それらを使ってみるのも良いですね。
ただし、APIを利用した外部サービスと、ChatGPT4を直接利用するのでは、生成されるコンテンツが異なります。
本格的に活用するなら、有料プランへの加入をおすすめです。
ChatGPT3.5と4の使い分け方
ここまでChatGPT3.5とChatGPT4の基本情報や違いをみてきましたが、実際の使い分け方についてもみてみましょう。
まず、情報の鮮度を重視するタスクでは、GPT-4一択。
最新トピックを扱う必要がある場合は、確実にChatGPT4を選ぶことをおすすめします。
また、プレゼン資料の作成やSNS運用など、テキスト以外に画像を含むコンテンツ制作においてもGPT-4が有利。
なぜならテキストと画像を組み合わせた高度な分析や提案ができるからです。
さらに、学術論文の執筆や長文コンテンツ作成など、文章の質と量の両方が求められる場面でも、GPT-4の性能を活かすことができるでしょう。
一方、日常的な単純作業の効率化や、リアルタイム性が重視されるチャットボットの実装など、高度な機能までは必要ないケースではGPT-3.5で十分かもしれません。
まずはGPT-3.5で運用してみて、より高度なAIの導入が必要だと感じたらGPT-4に切り替えるのもありですね。
いずれにしても、自分や組織のニーズに合わせて、GPT-3.5とGPT-4を使い分けることが大切。
コストと効果のバランスを見極めながら、ChatGPTを有効活用していきましょう。
ChatGPT3.5と4の違いまとめ
ここまでChatGPT3.5とChatGPT4の基本情報や違い、使い分け方についてみてきましたが、最後にポイントを整理しておきましょう。
- ChatGPT3.5は無料、GPT-4は有料
- GPT-4の方がはるかに高性能で高機能
- 学習データの鮮度、マルチモーダル、長文対応力に大きな差
- 日本語の精度はGPT-4が圧倒的に高い
- 無料で使う裏ワザもあるが、基本は有料プランが必要
- ニーズとコストを考慮して使い分けることが肝要
GPT-3.5から始まった驚異の技術は、わずか数ヶ月でGPT-4へと大幅な進化を遂げました。
今後もこの進化のスピードは加速していくことでしょう。
ぜひ3.5と4の特徴を踏まえて、あなたの目的に合ったChatGPTの活用法を探ってみてくださいね。